「止むに止まれぬ好奇心」で思考の老化を食い止める

ラーメン好きには何百軒もの店を食べ歩いた猛者も多く、歴史やお店の系譜、味、作り方などを研究し、一家言ある人がたくさんいます。

老舗の名店から今のトレンドに沿ったニューウェーブ店まで食べ歩き、美味しい店を発見することが無上の楽しみという人が全国にいます。

そんな人たちは新作ラーメンの情報を聞くと「食べずにはいられない」という衝動が湧くのです。

「へえ、そんな人たちがいるのか。面白そう」と思えたでしょうか。

こうした「止むに止まれぬ好奇心」は、定年によって長く在籍した会社などの組織を離れた後はとくに重要です。よくも悪くも周囲の刺激が少なくなって、思考の老化が進むからです。

「ちょっと変わった人」でいるほうが脳にいい

思考が老化してくると「くだらない」「面倒くさい」「何が面白いの?」と、ものごとを突き放して捉えるようになり、自分から遠ざけるようになってしまいます。

和田秀樹『シン・老人力』(小学館)
和田秀樹『シン・老人力』(小学館)

当然ながら、「一度、体験してみようか」と思うこともなくなります。

自分のポリシーなり価値観なりを頑固にもち続けている人が「くだらない」とひと言で片付けると、なんとなく立派に見えたりもします。

反対に、還暦を過ぎて、鉄道だ、地形散策だ、ラーメンだ、と熱中している人は、ちょっと変わった人に見られがちです。

しかし、頑固に自分のポリシーや価値観にこだわって多少立派に見えるよりも、好奇心あふれるちょっと変わった人のほうが、脳にとっては好ましいのです。

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