健康のためにはどのような食事がいいのか。医師の和田秀樹さんは「肉を食べるとセロトニンが増え、多幸感を感じる。また、多少コレステロール値が高いほうが、免疫力が高まると考える研究者も多い。日本人はもっと肉食したほうがいい」という――。
※本稿は、和田秀樹『シン・老人力』(小学館)の一部を再編集したものです。
私が肉食を勧める理由
「活動意欲を維持する」
「運動機能を維持する」
60代になって定年退職した後の生活で気をつけなくてはいけない2本柱です。
人間の体は「使わなければ衰える」ため、何ごとも現役であり続けることが大切ですが、その前提として重要になるのが「栄養」です。
意欲の低下を防ぐためにも、私は「肉」を食べることを勧めてきました。
そもそも中高年が「ダイエットをすれば健康になる」と刷り込まれたのは、「メタボリック・シンドローム」を恐れているからでしょう。
BMIが25を超える人のほうが長生きする
ご存じのとおり、「メタボリック・シンドローム(通称・メタボ)」は、内臓脂肪の蓄積に加えて、血圧、コレステロール、血糖値に異常が見られる状態で、糖尿病や心筋梗塞などの病気を引き起こしやすくなることを意味します。
このメタボ予防のための指標としてよく知られているのが「BMI」です。
BMIは「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で導き出される数値で、WHO(世界保健機関)の基準で「普通」とされる18.5~25の間に収まるのが望ましいと言われます。
しかし、世界中のさまざまな統計データを見ると、BMIの数値が25を超える人のほうが、長生きする傾向が少なくないのです。