たんぱく質不足で脳卒中が多かった
昭和40年代まで、日本人の死因は断然、脳卒中(脳血管疾患)でした。
そのころの日本人は、肉をほとんど食べていなかったために、たんぱく質不足だったことが大きな原因です。
厚生労働省の統計によると、昭和40年当時の日本人は、肉を1日当たり30gも食べていません。
若く健康な人の血管はゴムのように弾性があるものですが、材料となるたんぱく質が不足している人の血管はもろいのです。
秋田県の自殺率が減少傾向にある理由
秋田県では昭和50年代まで脳卒中が死因のトップでした。塩辛い漬け物とご飯が中心で魚や納豆を少し摂る、という食生活だったことが大きな要因でしょう。
塩分が多くてたんぱく質が少ないのだから、血圧が高いのに、血管はもろくなる。これでは血管が破れるのも無理はありません。
その後、秋田県では減塩運動が進められて脳卒中が減っています。減塩のみが注目されていますが、たんぱく質の摂取量が劇的に増えていることを見落としてはいけないように感じます。
しかもたんぱく質が不足していたころの秋田県は、全国的に見て自殺が目立って多かったのですが、近年は減少傾向にあります。
肉を多く摂取するようになって、セロトニンや男性ホルモンも増え、うつに陥りにくくなった面があると考えられるのです。