「好奇心をもつ」こと自体が大切

みうらさんに限らず、作家、ミュージシャン、映画監督といった文化人の中には、良識派から見ればくだらないことや、眉をひそめたくなることを趣味にする人も少なくありません。

こうした人は年齢の割に若く見える場合が多いのですが、それは、さまざまなものに興味をもつという思考習慣があるからだと考えられます。

「何かに興味をもつ」「好奇心をもつ」こと自体が脳にとっては大切なのです。

「思考の老化」を防ぐ

私はさまざまな個所で、脳の部位の中で前頭葉がいち早く老化することについて繰り返し述べてきました。

早い人の場合、40代から前頭葉の萎縮が目立ち始めます。前頭葉を使わないと機能の低下に拍車がかかる点についても繰り返し触れてきました。

早い人の場合、40代から前頭葉の萎縮が目立ち始める(※写真はイメージです)
写真=iStock.com/Artur Plawgo
早い人の場合、40代から前頭葉の萎縮が目立ち始める(※写真はイメージです)

これはいわば脳のハードウェアについての説明ですが、もうひとつ大切なことは、脳のソフトウェアの老化予防、つまり「思考の老化」を防ぐことです。

その方法のひとつが「さまざまなことに興味をもつ」という習慣であり、その実践が「趣味」というわけです。

「思考の老化」を防ぐには、「面白がること」が大切になってきます。

そのためには「役に立つ、立たない」とか「実現できる、実現できない」といった思考から離れることが必要になります。