どうしても開放感を重視したい場合は…

つまり1階LDK21畳の冷暖房には、1階LDK21畳+2階吹き抜け・フリールーム・廊下の合計9.5畳=30.5畳の冷暖房を行わなければならないということになり、およそ1部屋分にあたる「9.5畳」もの光熱費が余計にかかることになるのです。とくに燃料費が高騰し、光熱費が倍になっている昨今では、切実な問題ですね。

どうしても開放感のあるリビング階段や吹き抜けを作りたい場合は、壁や床、基礎、天井または屋根に断熱材をたっぷり入れて、家全体の断熱性能を高めた高断熱住宅にすることがお勧めです。家を高断熱にすると、熱の出入りを減らしてくれるため、リビング階段や吹き抜けがある大空間でも、少しのエネルギーで冷暖房が効きやすくなり、光熱費の削減が可能になります。

梁や下がり天井が多くモデルルームより狭い

はりがたくさんあり圧迫感があって、モデルルームと違った」(東京都 40代男性 自営業)

マンションのモデルルームに行くと、デザイン性にも機能性にも優れた素敵な住まいに、購入意欲をかき立てられてしまいますよね。しかし、ここで気を付けたいのが、購入した間取りがモデルルームのイメージと違った間取りになってしまうことです。モデルルームでは家具を置いても広々として見えたのに、購入した間取りは狭く感じるとご相談に来られる方も多くいらっしゃいます。

モデルルームは天井が高く、また広々と見える部屋を選び再現していますが、マンションの設計上、全ての部屋がそうではありません。下がり天井(天井の一部が他よりも低くなっている)や梁がたくさん出ている部屋もあります。この下がり天井や梁があると、部分的に天井が低くなるため、2段ベッドや本棚など、背丈のある家具を置く場合はとくに障害になってきます。

そういったトラブルを防ぐためにも、モデルルームのイメージとは別に、実際に購入する部屋がどのようなイメージなのか、間取り図面から情報を読み取り、あらかじめ想像することが大切になります。図表6のマンション間取り図は、点線がたくさん書かれていますね。この点線は下がり天井や梁を表現しています。

間取り図に描かれた点線
図表作成=COLLINO一級建築士事務所

つまり、点線表記の部分の天井の高さは、周囲より低いということです。また「CH=2,200」との記載は、下がり天井や梁の部分の高さが「床から2.2m」ということを表現しています。さらに図面下の方、LDとベランダの間付近に点線が4本引かれている箇所がありますが、これは各階ごとの梁の位置を表しています。例えば1番上の点線は、2~7階はこの位置に梁が出ることを意味しているのです。