いまやリストラは50代だけの話ではない。40代、30代にも矛先が向いている。ビジネスマン生活もハイリスクな時代を迎えた。どうしたら危機を突破していけるのか──。年代別にシナリオを描いていく。
行き場を失いうつ病にかかる30代が急増
懐具合が寂しくなれば、自ずと不安も募ってくるもの。新生フィナンシャルが毎年実施している「サラリーマンの小遣い調査」によると、2010年の平均小遣い額は4万600円で、前年と比べると5000円ものダウン。29年前の1981年とほぼ同じ水準にまで下がったことがわかった。
さらに、どのようなことに不安を感じているかを尋ねると、「自分の将来や老後」をあげる人が48.4%を占めた。この要因として考えられるのが、同じ質問に対して33.0%もの人があげている「リストラ/減給」の影響である。仕事は人生設計を支える大きな柱。それが揺らいだとなれば、将来に対する危機感は強まる。
バブル経済が崩壊して終身雇用制度の見直しが始まってから、すでに20年近い月日が経つ。いまやリストラの対象者は50代に限らず、40代、30代へと広がりを見せている。ある産業医は「出世競争に敗れて職場での行き場を失い、本人は転職を望んでいるのだが、奥さんから反対されてうつ病にかかる30代の中堅社員が増えている」という。
20代、30代……。各年代によって違いはあるものの、多くのビジネスマンは自らの生活を脅かすさまざまな危機に襲われている。そして、精神的にどんどん萎縮していき、内向き志向に走る人も水面下で急増している。
しかし、不安に怯えているだけでは、問題は何も解決しない。では、はたして第二の人生に向けた再チャレンジは可能なのだろうか。いくつもの壁を突破してきた先達が、年代ごとに具体的な方法をアドバイスする。