唸るほどの適役、圧巻の演技力
1位 松本若菜
「復讐の未亡人」(テレ東)30点、「やんごとなき一族」(フジ)30点、他5点。計65点。
1位はダントツ松本若菜。唸るほどの適役、驚きのはじけ役、納得の演技力は女王にふさわしい活躍っぷり。
話題になったのは「やんごとなき一族」の義姉役。ヒロインの土屋太鳳をいびり倒し、童謡を歌いながら嫌味と嫌がらせを繰り広げるエンターテインメント型ヒールを完遂。
連ドラ初主演作となった「復讐の未亡人」では、夫を自死に追い込んだ会社の人間に次々と復讐をする女の役。人としての温度を保ちながらも、心はない表情がすごかった。
「金魚妻」(Netflix)で演じた頭痛もちの妻役は脈打つような痛みがこっちにもうつるほどの熱演。ものすごい濡れ場もあり(相手は眞島秀和)、予想外の結末には膝を打った。あの話だけは面白かった。
派手な役柄だけではない。「ミステリと言う勿れ」(フジ)では優秀で勘のいい、そして命がけで犯人をカクホする勇敢な刑事役、「ファーストペンギン!」(日テレ)では農水省の話の通じる官僚役。美しく能力の高い女は冷酷に見えるが、若菜が演じるデキる女は無駄がなくて潔い。来年も新たな面を見せてくれることだろう。
ひとつの作品における好演で順位付けをするなら、主演女優賞は満島ひかり、助演女優賞は迷うところだが、夏帆に。とにかく涙腺を刺激した点を評価した。