5位 仁村紗和

「あなたのブツが、ここに」30点、「祈りのカルテ」(日テレ)5点。計35点。

仁村を初めて見たのは「明日もきっと君に恋をする。」(2016年・フジ)だった。同じ日を繰り返し続ける、憂いあるヒロインを演じ、独特の雰囲気と強い意志を感じさせる顔立ちに惹きつけられた。着々と力をつけ、朝ドラ「おちょやん」の京都編、お茶子の同僚役として出演。

そんな彼女が、コロナ禍でホステスをクビになり、運送屋に就職したシングルマザーを演じたのが「あなブツ」。笑いあり、涙あり、苦難も疲弊も恋模様もあり。しかもエンディングではクールに踊り、超魅力的な女優になっていて驚いた。運送業者の災難、シングルマザーの苦悩、コロナ禍の疲弊、実母との邂逅や元夫との決別などなど、「女の半生」を仁村がまるっと背負って、しかも気持ちよく見せてくれたのだ。

加点は「祈りのカルテ」で元夫から搾取される妻の役。真に迫る演技で、若手有望株として入賞させたかったので。

失恋クイーンの好演に拍手

4位 夏帆

「silent」30点、「First Love」5点。計35点。

夏帆の演技力の高さは今に始まったことではないが、今年はフラれまくっていて、失恋クイーンに君臨。その切ない表情は女性たちから絶賛された。

10月21日配信開始のアマゾンプライムのオリジナルドラマ「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~」の完成披露イベントに登壇した夏帆さん(=2022年10月18日、東京都新宿区の新宿住友ビル)
写真=時事通信フォト
10月21日配信開始のアマゾンプライムのオリジナルドラマ「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~」の完成披露イベントに登壇した夏帆さん(=2022年10月18日、東京都新宿区の新宿住友ビル)

「silent」における桃野奈々役はもう鳥肌モノ。手話ネイティブの女友達という役どころで、最もスキルが必要。手話を完璧にこなしただけでなく、恋心が叶わない切なさを体現。スマホを耳に当てるシーンは何度見ても泣ける。それでいて、嫌味や皮肉を表現する可愛らしさや親近感もある。

そういえば、星野源主演の映画『箱入り息子の恋』では目の不自由な女性を演じていたことを思い出した。着実に役をまっとうする信頼感。「First Love」では佐藤健の婚約者役。こっちでもフラれるわけよ。

松重豊と濱田岳の2時間モノ「大川と小川の時短捜査」(テレ東)では、男社会の権化のような警察で上位3%に出世したいと狙っている冷静沈着な女性刑事役。ドジっ娘じゃない、クールで優秀な刑事は、ちゃんづけで呼ばれたら返事をしない矜持。女というだけでなめられていると日々絶望する刑事役も好演した。

生きのいい若手女優が続々と

さて、ベスト3の前に、次点を。

筒井真理子 20点 「エルピス」、「ヒヤマケンタロウの妊娠」(Netflix) テーマは母の苦悩。
大竹しのぶ 15点 「PICU」(フジ)、「鎌倉殿の13人」(NHK) 頑固な母と謎のおばばが最高。
上白石萌音・深津絵里・川栄李奈 「カムカムエヴリバディ」(NHK) 特別枠で10点ずつ。

ただし、10点は他にも。名前だけでも挙げておきたい。

二重人格を好演した松岡茉優、盤石の演技力の吉川愛、メインの役どころが増えた岸井ゆきの、馬車馬のように働いて出演作が多い山田杏奈、アクションで魅せた別名「アサシン女優」山本千尋、幼さからの脱却に成功した桜田ひより。

若手女優の群雄割拠というのも2022年の特徴のひとつかも。いよいよベスト3へ。