安易な借金行為が破滅への第一歩

「こんな借金はいけない」と、自分で自分を戒めるべきタブーが3つあります。

①生活費を借りる

生活費は基本、自分が稼いだお金の範囲内で賄うもの。「足りないから借りる」ようなことがあってはならないのです。

あらゆる消費活動は、家計の大黒柱とするべき生活費をしっかりと確保してはじめて成り立つものだと心得ましょう。

②返済計画を立てずに借りる

お金をつくる・増やすためには計画が必要ですが、借金も同じ。返済計画をしっかり立てていないと、返済するためのお金を確保できません。

お金を借りれば、一時的にふところが温かくなりますから、例の“あれば使っちゃう習性”で、あれもこれもと無駄遣いしてしまうものなのです。

そうして無計画に使い、本業の給料では返せなくなると、苦肉の策としてバイトをするしかなくなります。その行き着く先は「体を使う仕事」。そして心身ともに疲弊します。

あるいは借金に借金を重ねて、にっちもさっちもいかなくなることもあります。最悪の転落パターンでしょう。働いても、働いても、お金は返済に消えてゆくだけ。どこかできちんと計画を立てて完済しない限り、「お金を増やす」ことなんて到底不可能です。

この2つについては、じつは会社経営にも当てはまります。

会社にとって生活費に相当するのは「運転資金」。これを借金で調達してしまうと、あっという間に消えていきます。運転資金が不足した原因を突き止めて、返済計画を含めた改善策を講じないと、いつまで経っても返済のメドを立てることはできないのです。

「いま、苦しいから、お金を借りる」――個人の生活も会社の経営も、そういう安易な借金行為にうっかり手を出してしまうことが、破滅への第一歩になります。

不動産について話し合い
写真=iStock.com/David Gyung
※写真はイメージです

ローンの利子とはなんのメリットもない支出

③カードローンなどのお手軽なローンを利用する

カードローンとは、カード会社や銀行などが個人向け融資サービスとして提供しているものです。コンビニのATMや銀行などで現金を引き出したり、ネットから自分の口座に振り込んだりすることで、借り入れができます。

手軽さではクレジットカードのキャッシングに近いでしょうか。ただ一般的に、カードローンのほうが使い勝手はいいとされています。

「金利は低め。場合によっては最大1000万円までのまとまったお金が担保なし・保証人なし・利用目的不問で借りられる。好きなタイミングで少しずつ返済できる」と、人気のようです。

この手軽さ、便利さが、まさに“借金地獄”に落ちる入り口となる場合があることを知っておかなくてはいけません。

金利は低めといっても、審査の結果によっては10%以上に設定されることもあります。上限は、借り入れ元金に応じて年利15~20%にものぼるのです。

預貯金をしたときの金利を考えると、たとえ2%前後に設定できたとしても、低いとはいえませんよね。

とくに返済方法に、毎月の支払い額が一定になる「キャッシングリボ」を利用すると、金利が高いので注意が必要です。

リボ払いにするのがいかに愚かか、いかに危険かは、ここでは詳しく述べませんが、いずれにせよ借金には、もれなく「利子」がついてきます。

これは、自分にとってなんのメリットもない支出ですから、カードローンは利用しないに越したことはありません。このことは、「それでも稼ぐ人」になる以前の話です。