「まいっか」の気軽な利用でローン残額は50万円に

ここまで「カードローン」のことについてふれましたが、正直に告白すると、私はカードローンで痛い目に遭った経験があります。

金融関係の会社で社会人生活をスタートさせた私は、ざっくりいうと、「メガバンクからお金を調達し、主に中小企業に融資をする」仕事をしていました。

その関係上、取引銀行の人からしょっちゅう「使わなくていいので、カードだけつくってもらえませんか?」と頼まれたのです。

銀行の人にノルマがあるらしく、「いつもお世話になっている方の成績になるなら」と私は気軽に引き受けました。いまのように「当行の普通預金口座不要、来店なしでお申込完了」というほど手続きは簡単ではありませんでしたが。

もともと義理でつくっただけですから、当初はまったく使うつもりはなかったのです。でも魔が差すんですね。「ちょっとお金が足りないな」となって、「ま、いっか」と利用するようになってしまいました。

一時期、ローン残額が50万円にもふくれ上がりました。給料がまだ手取り20万円弱だというのに……。

その後、保険会社に転職して、すぐに年収1000万円プレイヤーになったことでなんとか乗り切れたとはいえ、いま思うと、けっこう危ないところでした。

だから私は、カードローンの怖さを知っています。その私が「カードローンはダメですよ」というのですから、説得力があるのではないでしょうか。

借金をしていい、たった1つの例外

借金をして資産が増えることは、まずありえません。

だから基本的に「してもいい借金」はありません。

ただし、1つだけ例外があります。それは、明確な目的があってする借金です。

それも将来に向けて、「こんなことをやりたい」「こういう能力を磨きたい」といった確たる目的を達成するために勉強をする、そのお金が足りない、という場合に限ります。

当然、「たくさん稼ぎたいから、借金してでもハイリターンの投資商品を買う」というのはいけません。

ハイリスク・ハイリターンの運用を狙うこと自体は悪くないけれど、それをやるならまず自分で「種銭を稼ぐ」ところからはじめるのがスジというものです。

また「住宅ローン」という、多くの人が当たり前のようにしている借金も、できればしないほうがいい。キャッシュで買うのが理想です。

よく「自宅が資産です」という人がいます。本当にそうでしょうか?

どうやって買ったかを尋ねると、たいていは「住宅ローンを利用しています」という答えが返ってきます。なかには35年もの長期ローンを組む人もいます。

「キャッシュで買えないのだから、しょうがない」と思うかもしれませんが、よく考えてみてください。

仮に7000万円でマイホームを建てたとして、自己資金が1000万円、銀行等からのローンが6000万円なら、自分の資産は1000万円のみ。ローン分の6000万は、銀行などの資産なのです。

眺めの良いマンションでくつろぐカップル
写真=iStock.com/courtneyk
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