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ジャニーズ事務所嫌いの私がランキングをつけたワケ
ジャニーズ事務所が嫌いだ。エンターテインメント界のドル箱を抱える一企業としての矜持は感心するが、ドラマの主演ゴリ押しには納得がいかない。
特に今年の4月期は1クールでジャニーズ主演作が10本近くあった。正直、異様だ。忖度するテレビ局が悪い。
ファンにとっては至福だろうけれど、ドラマ好きの客をばっさり斬り捨てたのが今のテレビ局である。ドラマも映画も韓国エンタメ界に完敗しているのは、質の高い演技や内容を求めず、いわゆる数の暴力に屈しているから。ジャニーズと秋元康に牛耳られ、作品が内輪受けに終わり、世界で通用しないガラパゴス化が進んでいる。有能な監督も脚本家も、配信や海外資本にとられちゃってさ。
悪口と愚痴で始まったけれど、今回のお題は逆張り。「あえてジャニーズのベスト5はどうでしょう? 吉田さんがジャニーズをほめるのは、意外性と信憑性が混在していて面白そうです」と編集S氏。
確かに、十把一絡げでジャニーズの悪口を書いてるが、適材適所の良作もあるし、ひとりひとりの才能は高く評価したい。個人的に演技力を評価しているジャニーズタレントベスト5を書いてみた。
コメディ、アクション、時代劇に適応
5位 アクションをストイックに極めて、小兵の闘い方を体現 岡田准一
「木更津キャッツアイ」(2002年・TBS系)、「タイガー&ドラゴン」(2005年・TBS系)でコメディ筋肉を発揮。岡田が演じた、ぶっさんと竜二の「情けない息子っぷり」はキャラクターとしての存在感十分。20年たっても色あせていない。そのままコメディ筋肉を磨きあげると思いきや、「SP 警視庁警備部警護課第四係」(2007年・フジ系)では驚きの進化を遂げた。危機察知能力と記憶力が異常に高く、俊敏な動きと戦闘能力を備えたSPという役どころ。特殊能力という設定だが、ファンタジー要素が鼻につかない。それくらい岡田の動きの鮮やかさに目を見張った。テロリストの陰に大義名分という強烈な展開も興味深かった。
その後は映画、特に右寄りの作品、さらには時代劇のほうへ舵を切った。ドラマではNHK大河「軍師官兵衛」(2014年)で時の権力に翻弄される黒田官兵衛を熱演したのち、「白い巨塔」(2019年・テレ朝系)で大御所への階段を上り始めちゃったからなぁ。コメディ筋肉の封印を残念に思っていたが、映画「ザ・ファブル」ではアクションのキレに加えて、軽快さも復活。軽薄な岡田もたまには見たい。