株式投資ではなにが重要なのか。元ロッテマート常務のチョン・ソニョン氏は「気になる会社の財務諸表を読むところから始めるべきだ。チャートだけを見て銘柄を選ぶのは、投資ではない」という――。
※本稿は、チョン・ソニョン『お金で大切なことはすべて、父がメッセージアプリで教えてくれた』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
最安値で買って最高値で売るのは「投機」である
「父さん、僕は株の勉強してみようと思う。そこでまず、財務諸表の見方を教えてください」
君はそう言ってきたね。私は感心した。
なぜなら、株の勉強してみようと思うという言葉の後に、「財務諸表の見方を教えてください」と続いたからだ。
初めて株取引をする人は、たいていの場合「オススメの銘柄を1つだけ教えてくれませんか」と尋ねてくるものだ。もし、君が「どの株が良いのか、情報を教えてください」などと言ってきたら、株には手を出すなと答えていた。
その質問の根底には、最安値で買って最高値で売ろうという目的がある。このような株取引は投機であり、投資ではない。
ところが、君は感心することに、会社の財務諸表の見方を聞いてきた。父はそれが嬉しい。