投資で資産を失ってしまう人の特徴とは何か。ファンドマネージャーの土屋剛俊さんは「キャベツを10万円で買う人はいない。ところが株になると、適正価格を調べずに『言い値』や感覚で買ってしまう人がいる」という――。

※本稿は、土屋剛俊『お金以前』(日経BP)の一部を再編集したものです。

頭を抱える実業家
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「お金」にもルールは存在する

現代の資本主義社会では、お金はあたりまえにあるものです。

ところがあたりまえすぎて、いつもの生活の中で「そもそもお金ってなんだ?」というようなことはわざわざ考えないのではないでしょうか?

「そもそもお金ってなんだ?」と考えようと言われても、一体何を考えたらいいのかわからないかもしれません。そのくらい、私たちは生まれてからずっと、お金があたりまえの世界に生きています。

しかしそれは、ルールを知らずにカジノに行くようなものです。

カジノにそんな状態で行ったら、負けて損するに決まっています。ルールを確認しないでカジノに行く人はいません。

ところが、現代の資本主義社会ではお金はあたりまえなので、ルールを気にしない人も多いです。それはとてももったいない話です。

ルールを知らずにカジノに行くと損をするのは当然

具体的にはどういうことでしょうか。ここで、お金のルールを勉強しないで、カジノに行くような人の例を考えてみましょう。

これは、大きな会社でバリバリ勤めあげた、見識のある人の例です。

ある証券マンから「この株はとてもいい会社の株です。利益も多いし、みんなが欲しがる商品をつくっています。今買うときっと上がりますよ」などと言われました。

話を聞いている限り、その証券マンも信頼がおけそうな人に見えます。「なるほど、じゃあ買おう」と買ってしまい、その後株価が下落して大損してしまいました。こんな例はよく聞きます。

これは何が原因でおきてしまったのでしょうか?