財務諸表を読まないのは相手を知らずにお金を貸すのと同じ
株式とは、株式会社が株式会社として資本を成すための必要な要素なのである。株式投資をする上でのポイントは、資本をなす単位として1株ごとに株価がつけられているという点にある。
株式投資では、その単位につけられている金額を投資する(※)ことになるが、対象が誰なのかを知ることが重要だ。
※韓国では株を1株単位で購入できるが、日本では100株が1単位となっている。
簡単にいえば、お金を貸すときには、相手の能力や資本状態を詳しく調べるものだ。株式投資も同じである。投資をする際には、相手の能力や資本状態を詳しく調べなければならない。
相手の能力や資本状態を知るということが、財務諸表を読むということなのだ。
投資先の会社の財務状態を知らないということは、どんな人なのかも知らずに、お金を貸すのと同じだ。
人は少ないお金のことは几帳面にチェックするが、制度に組み込まれた巨大な規模のお金に対しては手薄になる。それで本質を見逃す場合が意外に多い。結果的に、チャートだけを見て株を買うという投機行為になってしまう。
財務諸表を読むときのポイントは「売り上げと営業利益」
しかし、ここで1つ問題がある。
財務諸表を読むのは、簡単ではない。見ても理解が難しい。だが、「財務諸表=難しい」という考えは、半分は正しいが半分は間違っている。
というのも、財務諸表は、会社の状態を正確に示すために、堅苦しく書かれているだけなのだ。ポイントを押さえて理解すれば、株式投資をする際の一番率直な友達になってくれるだろう。知れば知るほど、その本質には温かい論理が隠されている。
財務諸表と友達とのように付き合うために、ポイントとなるのは見る順序だ。まず、見るべきなのは、「売り上げと営業利益」だ。
売り上げは、その会社の大きさを示し、営業利益からはその会社の成果が把握できる。
財務諸表を見れば、事業規模がどの程度なのか、そして事業を通じて利益をどれだけ出しているのかがわかる。この2つを把握して、その会社の時価総額と比較すればいい。
シリコンバレーの超優良企業であるAppleの営業利益率は、毎年20〜30%台である。韓国の超優良企業サムスン電子は、毎年10〜20%台の営業利益率を出している。
ところが、わずか1%という驚くほど低い営業利益率の企業もある。なぜこのような株の流れになっているのだろうか。社会的状況、決算ごとの株価の変動等を確認して原因を深く探る必要がある。
財務諸表の観点から見た専門家のレポートなども目を通して行くと、財務状態を正確に知ることができるようになっていく。