ポイント②やらない権利を認める
まずはだまされたと思って、どんなことにも子どもにはやらない権利があると思いながら接してみてください。
「えっ、服を脱ぎ散らかすのを、この先もずっと認めろってこと?」と思うかもしれませんが、そうではありません。
そもそも服を脱ぎ散らかすことで、我が子の人生にどう影響するのでしょう。ここで言わないと、子どもは一生服を脱ぎ散らかしてしまうのでしょうか。
逆に、ここで言えば、この先は必ず脱いだ服を洗濯カゴに入れる子に育つのでしょうか。
きっとそんなことはないですよね。
ですので、とにかく、今はやらない権利を認めましょう。
じっと我慢をしてただ見る
あなたにとって最初はじっと我慢をしてただ見ることになるかと思います。
脱ぎ散らかすのが課題だとしたら、脱いでいる瞬間の我が子をどれだけ見ていますか? どうやって脱ぎ散らかしていますか? 脱ぎ散らかした後、何をしていますか? 我が子が脱いでいるとき、親であるあなたは、どこにいて、何をしているのでしょう。
そう、私達親は、よく見ているようで、実はあまり見ていないのです。
あなたが我が子に「やらせたい」と思っていることがあるとしたら、まずはやらない理由に興味をもって、その行動をただ見ることです。
一回ではありません。継続して見るようにします。
忙しくてそんなことできないと思うかもしれませんが、だまされたと思って3日間だけでも続けてみてください。その中で必ず変化が見えてきます。その変化を見逃さないように、ただただよく見ましょう。
毎日脱ぎ散らかしている中にも、必ず変化が見られます。
これがポイントの3つ目「小さな変化を感じ取る」です。
ポイント③小さな変化を感じ取る
着替える前にテレビを見ていて、急いで着替えてまたテレビを見るから脱ぎ散らかしているんだな。
そもそも、このテレビはなぜおもしろいと思っているのだろう。
何も言わないで見ていると、片付けることもあるんだな。
いつもはここに脱ぎ散らかしているのに、今日はここにまとまって置いてあるな。
……などなど、どんどんちょっとした変化が見えてきます。
片付けがちゃんとできていなくても、プラスの変化には声をかけます。
「服ここにまとめてあるじゃん。すごいじゃん」
「ここで、洗濯カゴまで持っていくと、100点だね」
「今日は朝起きてすぐ着替えたじゃん! 寒いのにさすがだね」
声をかけるときのポイントは、我が子が服を脱ぎ散らかさないようになってほしいという思いを捨てて、素直に行動の変化を認める言葉がけをすることです。
ただただよく見ることを意識し、お子さんにそれが伝われば、子どもにも変化が生まれてきます。その変化に気づけるようになれば、子どもは少しずつ自分から片付けるようになっていくものです。