マイケルの暗部を告発したかつての子供たち

Netflixの『ネバーランドにさよならを』を観た人はいるだろうか。マイケル・ジャクソンの熱烈なファンは観ないほうがいい。なぜなら、マイケルから子供の時、性的虐待を受けた2人の男性が、当時を振り返って赤裸々に語るというドキュメンタリーなのである。

制作はイギリスの「Channel4」とアメリカの「HBO」で、2019年に放送された時は、大変な騒ぎになったという。

なぜなら、マイケルは生前に2度、児童虐待疑惑で告発され、示談と無罪判決が出ているからだ。マイケルに有利な証言をした子供がいたことで、決着はついたはずだった。

だがその子供が大人になり、「当時の発言は嘘で、自分も性的虐待をされていた」と、顔も名前も出して告白しているのだ。彼に触発されて、やはり性的虐待を受けていた別の男性も告白し、ほとんどそれだけで4時間の長尺ドキュメンタリーなのである。

当然ながら、マイケル・ジャクソンの遺産管理財団は賠償を求める訴訟を起こしたらしい。熱烈なファンたちは、このドキュメンタリーはでたらめだとネガティブキャンペーンを張ったという。

ホテルやネバーランドの部屋で、キスから始まり…

ウェイド・ロブソンとジェームズ・セーフチャックの2人は、今見てもいい男だが、幼い頃はキュートで天使のような姿をしている。

ウェイドは、幼い時にマイケルのダンスパフォーマンスを真似て人気者になり、ステージでマイケルと一緒に踊るという幸運をつかむ。

ジェームズのほうは、ペプシのCMでマイケルと知り合い、夕食に招かれ、家族ぐるみで親しく付き合うようになる。

子供心にも、華やかなショー、豪華なホテル、一緒に過ごす部屋は、夢のようだっただろう。

だが、マイケルはただのやさしいオジサンではなかった。キスから始まり、自分の自慰行為を見せ、オーラルセックスへと子供を導いていく。

マイケルはそれを「愛の表現」と語る。誰にもこのことを話すなといい含め、ある種の共犯関係を構築していくのである。

彼ら2人にとって、マイケルは神そのものだったのだろう。マイケルに性的虐待容疑が出てきたとき、マイケルに有利な証言をしたが、それは圧力をかけられたとか脅されたということではない。

2人は、過去を語る時も、激することなく淡々としている。だが語られる内容は、目をそむけたくなる性的虐待そのものである。