『企業参謀』こそ、ノートの取り方の「実例」

私のノート術の原点は中学1年生のとき。音楽の先生から、聴いた音楽のメモを取りなさいと言われたことがきっかけだった。たとえばベートーベンの交響曲第6番『田園』の第1楽章はどういう楽想か、それを聴いてどのように感じたか、音楽日記のようなものを書くように指導されたのだ。

品行方正(!)な大前少年は先生の言いつけを守り、大学院に行くまでの12年間、クラシックを聴くたびに音楽日記をつけ続けた。高校ではブラスバンドに、大学からはオーケストラでクラリネットを吹いていたが、おかげでほとんどの作曲家のだいたいの作品が頭に入っている。

(小川 剛=構成 的野弘路=撮影)