順調に進んでいた婚活がひと言で壊れることがある。結婚カウンセラーの大屋優子さんは「私が相談を受けていた30代の男性は、プロポーズが成功したあとにフラれてしまった。その原因はクリスマスデート中のある発言だった」という――。(第2回)
※本稿は、大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)の一部を再編集したものです。
お見合い申し込みが殺到した30代の“しょうゆ顔イケメン”
昔流行った言葉で言えば、しょうゆ顔のイケメンだ。38歳、身長175cm、仕立ての良さそうなスーツに身を包んで面談にやってきた。
実際に話してみると、ボソボソと小声で、何を言ってるんだかよく聞き取れない。「今、なんとおっしゃいましたか?」と何度も聞き直したほどだ。マッチングアプリ、婚活パーティーなど、ありとあらゆるサービスを利用しても今まで結婚できなかった理由は、きっとこの話し方のせいだろう。
カウンセラーが手取り足取り世話してくれるという結婚相談所のサービスを、最後の砦とやってきた。一人暮らしで家事もひと通りこなせるそうだし、仕事も都内から転勤はないという。住まいは、現在は賃貸だが、結婚したら都心に分譲マンションを購入予定。
「これまで、何人の女性とお付き合いされた経験がありますか?」
婚活していくにあたり、会員にさまざまなアドバイスをするわけだが、交際経験がある程度ある男性には、デートについてのアドバイスは不要。交際経験がなければ、どんな場所でデートしたら良いか、女性はどんなことが好きか、女性にどんな言葉を言えば良いかまでを、教えなくてはならない。彼は、過去の交際人数をふたり、と答えた。
ふたりと答えたということは、ひとりかもしれないし、場合によってはゼロかもしれない。だが一応、ふたりという交際経験を信じることにして、彼のプロフィールを登録した。登録するやいなや、彼へのお見合い申し込みは殺到した。