「何歳になっても自分の足で行きたいところへ自由に行ける体を手に入れるには、“筋肉”がなにより大事です」と語るのは、諏訪中央病院に赴任し、長野県を日本一の長寿県へと導いたことで知られる医師の鎌田實さん。自身、心房細動の治療で入院するなどし、「老い」との付き合い方を考えた結果、73歳にしてたどり着いた“ズボラ筋トレ”とは──。
※本稿は、鎌田實『疲れない 太らない ボケない 60代からの鎌田式ズボラ筋トレ』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
現在70歳の人は90歳以上まで生きる現実…
あるデータによると、現在70歳前後の男性で、4分の1の元気グループに入る人は93歳まで生きるとのこと。女性はなんと99歳まで生きるそうです。
そんなに生きたくないと思われる方も、多いのではないかと思いますが、好むと好まざるに関係なく、長生きの時代になったということでしょう。
2020年発表の資料によると、日本人の平均寿命は、女性が87.74歳、男性が81.64歳です。命の長さにこだわりませんが、死ぬギリギリまでピンピンして、ヒラリと逝きたいというのが僕の目標です。
中高年以降は「貯筋」が大事
そのために、大事なのが筋肉です。
新型コロナの巣ごもり生活などで運動不足になっても、みなさんは今のところ、それほど不便を感じないかもしれません。
しかし、筋肉は40歳を過ぎると毎年1~1.2%ずつ減少しますから、中高年は意識して筋肉を鍛えて「貯筋」しないと、だんだん筋肉が少なくなって、やがて介護保険のお世話になることになります。
僕はその影響があらわれるのが、70歳ではないかと思っています。