勉強を最も続けにくい時間は「やり始め」

勉強を始めようと思ったけれど、なかなか集中できなくて途中でやめちゃったり、そもそも勉強ができなかったりしたことはありませんか。

勉強において、一番「続けにくい時間」は間違いなく「やり始め」です。「さて、やるか」と考えて一歩踏み出そうとするタイミングで、一番集中力が途切れやすいのです。

しかし、みなさんもいざやり始めたら、意外と何とか進められることもあるのではないでしょうか。運動会の玉転がしのように、どんなに大きいボールでも転がし始めれば勢いもついて進んでいきますが、転がし始めは「せーの」で全員が一丸となって力を込めなければボールが動かないのと同じ理屈です。

実体験ですが、私も机に向かってはみたものの、全くやる気が起きなくて「今日はもういいや……」という気分になってしまい、勉強時間がゼロという日が結構ありました。

勉強机で助けを求める少年
写真=iStock.com/vejaa
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ところが、東大に合格した人たちは、全員この最初の一歩を踏み出すのが上手なのです。

陸上競技などのスポーツにおいて、勝負は試合開始前から始まっているとよく言われますよね。「READY……」とスターターが言った瞬間のポーズからすでに試合が始まっているのです。そのポーズは、勝負の結果にも必ず影響するはずです。

受験勉強においてもこれは全く同じで、いわゆる「READY思考」はとても重要なのです。

ここでは、走り出す前の「準備(=READY)」の心構えや、勢いよくスタートダッシュを切るための効果的な方法を紹介します。

勉強を無意識に始められるように「ルーティン化」する

では、具体的にどうやって「READY」を作っていくかというと、まずオススメなのは「ルーティン化」することです。

そもそもなぜ、「勉強しよう!」と思ってもできないかというと、「よし、勉強しよう!」って思ってしまっていること自体が間違いなのです。日常生活で「よし、お風呂入ろう!」「よし、歯を磨こう!」っていちいち考えるでしょうか。

なかには面倒くさがりで「お風呂も歯磨きも気合い入れないとできない」という人もいるかもしれません。確かに、お風呂に入るのもかなり重労働ですが、では頑張ってお風呂場までたどり着いたとしましょう。

そのとき、「まずは何をしようか?」と考えていちいち身体を洗わないですよね。髪を洗ったり体を洗ったり、行動自体はたくさんありますが、ほとんど意識されることなく自然に行っていると思います。それは何度もそういう行動をして身体に染みついているからです。

これと同じように、勉強もルーティン化していくことで無意識にできるようになります。