東京大学に合格する受験生は、勉強にどれぐらいの時間を割いているのか。東大生集団「カルペ・ディエム」は「勉強はただ時間をかければいいというものではなく、効率が重要。勉強を頑張ってしまう人は、東大には合格できないだろう」という――。

※本稿は、東大カルペ・ディエム『東大大全』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

大量の本を広げうなだれる人
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東大生にとっての勉強は机の上だけで行うものではない

「東大生は、受験期間中どれくらい勉強していたんだろう?」と考えたことはありませんか?

「東大生ともなれば、何時間も勉強していたから東大生になれたのだろう。じゃあ一体どれくらいの時間、机の前に座っていれば東大に合格できるのだろうか?」。そんな疑問を持ったことがある人は多いのではないかと思います。

しかし、この質問は東大生がされて一番困る質問だといっても過言ではないのです。なぜなら、この質問はそもそも前提にしている勉強の定義が全然違うからです。

東大生にとって、勉強というのは何も机の上だけで行うものではないのです。目を開けているときはいつだって勉強していて、日常生活の中に勉強が根づいてしまっているから、起きていればその間はすべて「勉強時間」と見なされるのです。

日常の中に自然と勉強がある感覚、これを「日常思考」と名づけてみましょう。東大生は、日常思考が優れているので、いついかなるときも勉強をしています。

日常の中に自然と勉強がある感覚が染みついている

例えばテレビでニュース番組を見ているとき、ロシアとウクライナの戦争や、コロナ問題、それに伴う物価の上昇……、さまざまなニュースが流れてくると思います。そしてその裏側には、世界史や日本史、地理の勉強があります。

このとき、東大に合格できる人は「あぁ、この話はこの前習ったこの分野とつながるな」というように、勉強とのつながりを1つのニュースから見出すことができるのです。