さて、この6カ国で動物性食品の割合が減少傾向にあるのはなぜでしょうか。少し考えてみてください。

まず、この6カ国の共通点を考えてみましょう。いずれも経済的に成長している「先進国」といえそうです。その先進国に共通する問題は「少子高齢化」ですね。これはその国のことを知らなくても、同じ先進国である日本に置き換えて考えれば簡単に想像できると思います。

では少子高齢化の進む先進国で、ほかにも国民が課題に感じていることは何でしょうか。ヒントは問題文にもある「カロリー」というキーワードです。そう、健康への問題ですね。先進国では成人病や肥満など肉食中心の食事による健康課題を抱えています。

このことから「成人病や肥満を問題視するなど、健康への関心が高まっているのとともに、少子高齢化によって高齢者の人口割合が増えたことで、野菜や魚介類など低カロリーの食品を摂取する割合が増えたから」という答えが導けそうです。

疑問を持ちながら学ぶことで勉強のモチベーションも上がる

東大の過去問は日頃から身のまわりの「なぜ?」に関心を持ち、答えまでたどり着くための力を問われていると思いませんか。この問題は地理的知識が特になくても答えを思いついた人もいると思います。

疑問を持って学ぶことは、勉強のモチベーションを上げてくれると同時に、学ぶことの面白さが分かることにもつながります。そうして勉強のサイクルを回せるようになるのです。

つまらないと感じながら丸暗記し続けるよりも、丸暗記した知識に「なぜ?」を向けて世界を広げていくことこそが、学問への姿勢といえるのではないでしょうか。