家計簿は「1月」と「4月」にスタートしない方がいい
「家計簿をつけない家庭はお金が貯まりにくい」と聞けば、「じゃあ、家計簿をつければお金が貯まるのね」と勘違いする人がいます。
でも、家計簿をつけるだけでは、お金は貯まりません。お金は、家計簿を使って、家計管理を行うことで貯められるものだからです。総務省の「家計調査年報2020年」によると、2人以上の世帯の消費支出は、世帯主の年齢が40歳未満の世帯は1世帯当たり月額平均26万6211円、40~49歳の世帯は31万5958円、50~59歳の世帯は32万9937円となっています。つまり、家族4人で暮らしていくには生活費が30万円以上必要です。
一方、国税庁の「令和2年民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は433万円。可処分所得は年収の7~8割ですので、8割だとしても手取り収入は346万円。月額約29万円になります。つまり、普通に暮らしているだけで、毎月、お給料と同じくらいの出費があるわけですから。ちゃんと意識して家計管理をしなければお金は貯まってくれません。また、前掲の家計調査によると、単身世帯(平均年齢58.5歳)の消費支出は、月額平均15万506円です。複数世帯よりも少ないものの、お給料については税制上の控除(扶養控除)などの恩恵は受けられず、将来、年金生活に入った場合、1人分の年金しかありませんので、同様にお金を貯めておく必要はあります。
そこで、家計簿は、毎月少なくともどれくらいの予算が必要なのかを見極め、生活する上で最低限必要な基本生活費を把握しておく“家計管理”簿と心得ること。家計簿をつけることで、家計のムリ・ムダを「見える化」するためのツールとして活用できているかが肝心です。
ですから、家計簿をつけていても、つけっぱなしで反省材料として活用できていないのでは意味がありません。定期的に眺めて、無駄がなかったか心に刻むようにします。
なお、図表2はライフステージ別の家計バランスの目安です。それぞれご自分の家計のムリ・ムダがないかバランスを確認してみてはいかがでしょうか。