宝くじで100万円が当たったら何に使うだろうか。多くの日本人は「貯金」かもしれない。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「外国人の中には、『寄付』という方も少なくありません。自分ではなく他人のためにお金を使うことは、健康にプラスになるだけでなく、幸福度を高める効果があることが研究で明らかになっています」という――。

※本稿は、黒田尚子『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)の一部を再編集したものです。

浜辺でやたらと楽しそうな家族
写真=iStock.com/Arthit_Longwilai
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私はよくライフプランセミナーで、「宝くじで100万円当たったら何に使いますか?」という質問をします。何にお金を使うかが人それぞれであるように、ライフプランも十人十色だということをお伝えするためです。

やはり、老若男女問わず多いお答えが「貯金」です。貯蓄好きな日本人ならではですが、中には「好きなアーティストのグッズを買います」「旅行に行きたい」「投資をしてさらに増やします」などさまざま。あるスポーツ強豪校の教員向けセミナーをしたときには、「自分が顧問をしている部活の子どもたちに焼肉をご馳走します」という先生もいらっしゃいました。生徒さんへの想いが伝わってきますよね。

一方、外国の方にお聞きすると、回答は一変。自分のために使うのではなく、彼らの多くは「寄付します」とお答えになります。日常生活において、寄付やボランティア活動が当たり前の社会ですから、当然かもしれません。

他人のためにお金を使うと血圧が下がり幸福度が上がる

実は、自分ではなく他人のためにお金を使うことは、健康にプラスになる上、幸福度を高める効果があることが研究で明らかになっています。カナダのブリティッシュコロンビア大学のエリザベス・ダン博士は次のような研究を行いました。

高血圧を患う高齢被験者に毎週40ドルを3週間連続で渡し、グループAには「お金を自分自身のために使ってください」、グループBには「お金を誰か他人のために使ってください」と伝えるのです。

3週間後、被験者の血圧を測定したところ、他人のためにお金を使った人は、自分のためにお金を使った人に比べて血圧が著しく減少。この時の血圧減少のインパクトは、健康的な食事や頻繁にエクササイズを行った時のそれと同じだったと言います。