レジャー費は「月額」ではなく「年額」で予算管理する

とはいえ、旅行やレジャーを楽しんでいるときに、あまりお金のことばかり気にするのも野暮ですよね。美味しいものを食べたり、家族や友人と普段できない経験をしたりして思い出をつくるのも、人生の充実にとっては重要なことです。

問題はバランスのとり方です。食費や通信費などと異なり、レジャー費のように、月によって大きく変動する支出は、月額ではなく「年額」で予算管理することをお勧めします。図表1は、総務省の家計調査(2017年)の外食費や宿泊料、レジャー施設への入場料など、家計に占めるレジャー費(年額)を年収別に整理したものです。

年収ごとのレジャー費は?

年収別にみると、平均で年額約34万円。それぞれの年収に応じて年収の4~5%程度がレジャー費として消費されています。この数字を参考に「年間予算」を立てれば、例えば、4、5月の大型連休で予算オーバーしたとしても、夏休みやそれ以外の連休などのレジャー費を抑えて、年間ベースで無理なく調整できるはずです。

「使えるお金の8掛け」で予算を立てる

そして、計画を立てる際は、「使えるお金の8掛け」くらいで予算を立てるのがポイントです。休日やリゾートで気分が開放的になると、自分・家族へのご褒美を購入したり、アウトレットでまとめ買いしたり、ホテルで高いワインやメニューをオーダーするなど散財してしまいがち。「8掛け予算」により、そうした衝動的な消費を回避します。

そして、大切なのは計画を立てるタイミングです。「今月は大型連休があるから」とあわてて直前に旅館や交通機関を予約すると、ローシーズンよりもはるかに高くついてしまうのは、みなさんもご存じのとおりでしょう。

例えば、パック旅行や飛行機のチケットなどに早割や金券ショップを利用したり、旅行費用を旅行積立などで準備したりすれば、リーズナブルにレジャーを楽しむことができます。

私のお客さまの中には、すべての買い物をクレジットカードのマイルで貯めて、数年に1度、家族でハワイ旅行に出かけるのが趣味という人もいます。家計相談を受けていると、連休浪費に陥りがちなのは比較的収入の高い家庭という気がします。収入の低い家庭は、常に、引き締めていなければ家計が成り立たないことをしっかり認識しています。

多額の住宅ローンを返済し、子供の教育費には糸目をつけない。そのような家庭が連休で外出するとタガが外れて支出もふくらみがちです。その行き着く先は、お決まりの「高収入・低貯蓄」家庭です。メリハリを意識して賢く楽しみましょう。

◎「年間予算」を立て、その範囲内で十分に楽しむ
×タガが外れて、湯水のようにお金を使ってしまう