プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象3694社のうち、平均勤続年数が最も短いのは、電子書籍の配信などを行うメディアドゥ(平均勤続年数1.3年)だった。平均勤続年数「ワースト300社」の詳細をお伝えする――。(第4回/全4回)

「ワースト300社」の平均勤続年数は3.8年

プレジデントオンラインは、「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象は、有価証券報告書(2020年9月期~2021年8月期、一部企業については、2021年9月、10月期の数値)において、従業員平均勤続年数などの情報を開示している3694社である。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

勤続年数が短い300社の平均は、勤続年数3.8年、平均年齢34.5歳、従業員数476人、平均給与569万円だった。それに対して調査対象の全3694社の平均は勤続年数12.4年、平均年齢40.8歳、従業員数1024人、平均給与611万円である。

平均勤続年数が短い企業の場合、平均年齢、従業員数、平均給与で全社平均を下回る。

ただし、平均給与は前年比ほぼ横ばい(573万円→569万円)で、全社平均(619万円→611万円)のよりもマイナス幅は小さかった。

社員の勤続年数が長い企業としてはメーカーや素材、運輸関連などが目立ったが、短い会社は「情報・通信業」や「サービス業」が多数派である。設立間もない企業が多いということが考えられる。

1位は電子書籍の配信事業を行う

平均勤続年数が短い「ワースト300社」のランキングで1位となったのは、メディアドゥだ。

従業員数271人で平均年齢は35.6歳、平均勤続年数は1.3年だった。設立は1999年で、電子書籍の配信などの著作物のデジタル流通や電子図書館事業を展開する。

同社の企画経営室は「2017年2月に『出版デジタル機構』を買収し、その後、当時完全子会社であった『メディアドゥ』を2020年6月に吸収合併したことにより、勤続年数が短くなっております。なお、それ以前の平均勤続年数は3~5年以内となっております」と話す。