プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象3694社のうち、平均勤続年数が最も長いのは、東北を拠点にする金融持株会社フィデアホールディングス(平均勤続年数27.1年)だった。「トップ300社」の詳細をお伝えする――。(第3回/全4回)

平均勤続年数トップ300社の平均年収は654.9万円

プレジデントオンラインは、「平均勤続年数ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象は、有価証券報告書(2020年9月期~2021年8月期、一部企業については、2021年9月、10月期の数値)において、従業員平均勤続年数などの情報を開示している3694社である。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

トップ300社の平均勤続年数は20.5年で平均年収は654.9万円だった。

3694社の平均勤続年数は12.4年、平均年収は611万円だったので、それを大きく上回っている。ただ、トップ10のうち、611万円を下回った企業は4社あり、必ずしも平均勤続年数の長さと平均年収の高さは比例するとはいえない。

ランクインした300社のうち平均年収1000万円超は、三井住友トラストHD(12位)、MS&ADインシュアランスグループHD(24位)、T&DHD(50位)、テレビ東京HD(68位)、第一三共(203位)、ENEOS HD(218位)、日本取引所グループ(256位)の7社だった。前回調査からは2社減っている。

平均勤続年数トップは東北を拠点にする金融持株会社

従業員の平均勤続年数トップは、「27.1年」のフィデアホールディングス(HD)だ。秋田県を拠点とする北都銀行と山形県が拠点の荘内銀行を子会社に擁する金融持株会社である。

ただし、フィデアHDのような持株会社は、従業員数が基本的には多くないため、わずかな変動で数値の変動が大きい。

さらに、会社によっては子会社での勤続年数を加える場合もあるし、その逆に持株会社の在籍年数に限定する例もある。開示方針がバラバラであることも留意しておくべきポイントである。

フィデアHDでは、従業員数が114名から104名と10名減少したことで、前年の22.9年から4年以上も長くなった。この年数は出身銀行での勤続年を通算している。