鉄道会社や電機メーカーが上位に並ぶ

フィデアHDに次ぐのは、桂川電機、松尾電機、平河ヒューテック、三菱製紙だ。

桂川電機は大判型プリンタ、松尾電機はコンデンサー、平河ヒューテックは電線やネットワーク機器、三菱製紙は印刷・情報用紙が主力の製紙メーカーだ。

平均勤続年数20年以上は、基本的には終身雇用型企業と見ていいだろう。

従業員数が1000人を超す企業で平均勤続年数20年以上は、東武鉄道、キヤノンマーケティングジャパン、高島屋、日本電気硝子、名古屋鉄道、JVCケンウッド、シャープ、三協立山、東京電力HDなどだ。また、従業員が1万人以上の企業だと、パナソニック、ホンダ、デンソー、LIXIL、富士電機がある。

従業員数を100人以上に限定しなければ、平均勤続年数が30年を超す企業は存在する。臨床検査受託事業と調剤薬局を運営するファルコHDは平均勤続年数32年だ。また、銀行の持株会社である池田泉州HDとトモニHDは、ともに平均勤続年数は31年である。

自動車会社で勤続年数が最も長いのは…

日本企業の代表格であるトヨタ自動車のここ3年の平均勤続年数を見ると、「15.7年→15.8年→16.2年」と推移。日産自動車は「18.4年→17.7年→16.9年」であり、両企業とも今回のランキングには入らなかった。それに対して、ホンダは「24.1年→23.8年→22.5年」と平均勤続年数20年以上をキープしている。

電機業界でも同様の推移を見てみると、パナソニック(22.8年→22.7年→22.7年)と日立製作所(19.0年→19.1年→19.2年)がランクインしている一方で、ソニーグループ(16.7年→16.6年→16.5年)はランク外である。

このように、同業種でライバル関係にある企業の平均勤続年数を比較するのも面白い。

順位の変動が目立つのは旅行代理店

前回のベスト10から順位の変動が目立つのは、近畿日本ツーリストやクラブツーリズムを擁する旅行代理店のKNT-CT HD(前回6位→296位)だ。

KNT-CT HDの平均勤続年数は、前年の25.1年から18.9年と6.2年も短くなった。

これはコロナ禍によるダメージが大きい。同社広報部は「勤続年数が浅い『駐在勤務者』が一時的に100名ほど計上されていたため、平均勤続年数が一時的に下がったと思われます。現在、駐在勤務者は社から離れたので来年以降は元の数字に落ち着くはずです」と話す。