プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2021年度版)」を作成した。調査対象会社3800社のうち、平均年収が1000万円を超える企業は108社で、前回から2社減った。ランキングの1位は、2688万4000円のM&Aキャピタルパートナーズだった——。(第1回/全4回)

上場企業の平均年収は610万円

プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2021年度版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2020年9月期~2021年8月期、一部企業については、2021年9月期の数値を使用)。データ抽出では、経済・金融データサービスの株式会社アイ・エヌ情報センターの協力を得た。

今回調査した全3800社の平均年収は610万円だった。表にしたランキング500位までの従業員平均給与額は922万円。平均年収が1000万円を超える企業は108社(前回比2社減)だった。

平均給与が突出しているM&Aキャピタルパートナーズ

ランキング500社のうち、前期比アップは262社だ。アップダウンの大きい持株会社を除き、従業員数が数千人規模の企業で見てみると、総合商社の三菱商事、伊藤忠商事、三井物産のアップ額が目立つ。製薬会社の中外製薬やエーザイ、また中部電力、関西電力もアップ組である。

社員の平均年収が最も高い企業は、M&Aキャピタルパートナーズだ。過去5期は「2994万円→2478万円→3109万円→2269万円→2688万円」と推移している。従業員数の増加もあって平均額が大きく減った年もあるが、平均年収が国内で最も高水準であることに変わりはない。

同社は、後継者が不在の中小企業などの事業承継を目的に、M&A仲介・アドバイザリー業務を手がける。14位のストライクや33位の日本M&Aセンターホールディングス(HD)も同業である。

中小企業の「売り手企業」と「買い手企業」をマッチングさせるのが主なビジネスであり、大規模な設備投資は不要。譲渡企業の獲得、企業の資産価値を正しく評価するデューデリジェンスの実施、買い手企業への提案、マッチング交渉・契約など、高度なスキルをもつ専門人材が必要不可欠となる。

また、収入は案件の大きさに比例する手数料なので、案件が大型になるほど高額の手数料を得ることになる。一般の事業会社とは収益構造が異なるため、これだけの高額年収を支払うことができるといえる。

社員の年収が高ければ、経営陣の年俸も高水準だ。M&Aキャピタルパートナーズの経営トップの年俸は約2億円。ストライク、日本M&AセンターHDを含めた3社の社内取締役の平均年俸は6000万~9000万円である。