就任記者会見では「僕は優勝なんか一切目指しません」と宣言
野球ファンは1年に3度の正月を迎える。1度目は1月1日の元日。2度目は2月1日のキャンプイン。そして3度目が開幕戦当日である。
明日から、12球団一斉にキャンプイン。ここから、2022(令和4)年シーズンに向けての熾烈な戦いが始まるのだ。
今年最大の注目を集めているのが「ビッグボス」こと、新庄剛志監督が就任した日本ハムだろう。昨年は5位と低迷しながらも、オフシーズンの話題を独占。スポーツ新聞の1面はもとより、ワイドショーでも大きく取り上げられた。
就任記者会見では「僕は優勝なんか一切目指しません」と宣言し、「試合中にインスタライブもやりたい」と発言した。何から何まで、従来の監督像を覆す会見だった。そう、彼はそもそも監督であることなど望んでおらず、自ら口にしたように「ビッグボス」であろうとしているのである。
生前の野村監督が新庄について語る際に常に口にしたこと
1999(平成11)年からの3年間、野村克也は阪神タイガースの監督を務め、新庄とともに縦縞のユニフォームに身を包んだ。
生前の野村は、新庄について語る際に「人を見て法を説け」と口にしている。
相手の性格や能力を見た上で適切な助言をする――。それが、新庄と接する上で心がけていたことだという。
目立ちたがり屋で、常に「カッコよくありたい」と望む新庄に対して、決して締めつけることはせずに自由奔放にやらせることで、彼の持つ能力を最大限に発揮させよう。そう考えたのである。
規律を重んじる野村にとって、ある意味では特別待遇を認めたのである。
野村は「まずは新庄にキャッチャーをやらせようと思った」と語っている。そこには「捕手目線で野球を学ばせたい」という狙いがあった。