さらなる成長を狙うための戦略的赤字
【宮田】メルカリのCtoCビジネスって国内でまだ伸びますよね。しかも、すでにメルカリは国内のリーディングカンパニー。国内のメルカリはまさに花形事業であり、金のなる木でもありますね。メルペイとアメリカ事業はどうでしょうか?
【中村】そりゃあ……そうか! 決済はPayPayが強いし、アメリカでメルカリの知名度はまだ高くない。とはいえ、ともに市場は伸びている。まさに問題児ポジション!
【宮田】メルカリは国内CtoCビジネスで得られるキャッシュを問題児のメルペイとアメリカ事業に投資することで、第二、第三の花形を作ろうとしています。しかもメルペイはメルカリとも相性が良い。
【中村】ん? どういうことですか?
【宮田】メルカリで売り上げたお金の使い方は、メルペイが出るまでは次の2つでした。
①モノを売って得た売上を使ってメルカリで商品を購入する
②自分の口座に移してお金を使う
でもメルペイができたおかげで、
③メルカリで売った商品の売上をメルペイとして、メルカリ以外で決済することが可能になった
【中村】確かに。僕もそうやってメルペイを使いますね。
【宮田】電子マネー市場は、PayPayを筆頭にLINE PayやSuica、iD、楽天Edyなどレッドオーシャンです。その中でも、メルカリでの売買を通じて自ら電子マネーを増やせるというのはメルカリならではの強みと言えますね。
【中村】メルカリは、極めて戦略的に成長しようとしているのがわかりますね。
【宮田】最初に「メルカリの決算書を読み解くには、ファイナンスとビジネスモデルの理解も必要だ」と言いましたが、その意味がわかりましたか?
【中村】ありがとうございます! よくわかりました!
【宮田】よかったです。では、ここの支払いは私がメルペイを使うことでメルカリ経済を回しましょう。