家庭のタブー=人を身動きできなくさせる恐ろしい凶器
タブーを生み出す「短絡的解決」「孤立」「羞恥心」という3つの条件は、DV家庭だけに言えるものではない。ニートの子どもがいる家庭、認知症の親を介護する家庭、障害のある子どもを持つ家庭……のみならず、傍から見れば何の問題も抱えていなさそうな家庭でも、条件さえ揃えばタブーは発生するだろう。
コミュニティが小さく、風通しが悪い環境であればあるほど、そのコミュニティを構成する各人の影響力が大きくなる。だからこそ、令和3年が過ぎ去ろうとしている現在でも、耳を疑うような事件が後を絶たないのは、家庭なのではないだろうか。
自分の味方は自分。自分の身を守るのも、他でもない自分だが、社会には、当たり前にできることさえも当たり前にできなくなる。そんな皮肉な現実が存在する。
「短絡的解決」「孤立」「羞恥心」という3つの条件が揃ったときに生じるグロテクスな「家庭のタブー」。この視点で個々の事例を見通せば、共通する何かしらの解決策が見えてくるかもしれない。