25歳の時合コンで出会って交際・結婚したのは読者モデル級の美しい女性。だが、これがとんだハズレくじだった。男性は自分が稼いだお金を一切自由に使えなくなり、家計を握った妻から毎日のように怒鳴られ罵詈雑言を浴びる。それは目をふさぎたくなるような地獄の日々だった――(前編/全2回)。
ガラス越しに助けを求める人
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タブー[taboo]を辞書で引くと、①神聖(不浄)なものとして禁制されること、もの。禁忌。②そのことに言及すると良くないということが、その社会や席で暗黙のうちに認められている事柄、とある。現代において、大きな問題となっているのは②だ。とりわけ「家庭」という密室空間にいる夫婦・親子間で引き起こされるトラブルは、第三者の目が届かず、深刻化するケースが多い。そんな家庭のタブーの背景や課題を探っていきたい。

DV妻との出会い

フリーターをしていた橋本幸男さん(40代・独身)は、25歳の頃、アルバイト仲間から合コンに誘われた。18時に仕事が終わり、仲間と共に待ち合わせ場所に向かうと、読者モデルでもしていそうなほどオシャレで目立つ女性4人組が待っていた。

カラオケに行くことになり、男女8人が個室に入るやいなや、すぐに選曲を始め、颯爽とマイクを取り、堂々と歌い始める女性の姿が。後に橋本さんの妻になる女性だった。

「彼女は、恥ずかしがる様子もなく、自信に満ち溢れた表情で歌い上げると、運ばれてきたビールをゴクゴクと飲み干しました。みんなから『めちゃめちゃうまい!』と褒められると、満面の笑顔。私が年齢を聞くと、目尻が下がり、『20歳だよ』と優しそうな表情で答えてくれました」

橋本さんは、その女性から連絡先を聞き出すことに成功。数回食事をしたり、買物をしたりしたあと、交際が始まった。