断りの「ルール」を作ってしまう

もちろん、いつもこれで断っていると「あいつ、匂わせるだけで何もやらないな」となってしまうので、ここはひとつ、自分なりのルールをつくってほしいと思います。

たとえば、「1回受けたら1回は断る」。あるいは「2回受けたら、1回は断る」

全部断るわけでなく、自分の中で「これをこえたらキャパオーバーだな」というルールを設定し、そのルールの中で引き受けるということです。そのルールに沿ってやると、引き受けすぎてパンクすることもなくなるでしょう。

「断れなかった」ではなく「断らなかった」

ただ「何か嫌だけど、余裕があるからつい引き受けてしまった」「あとから悪口を言われるのがこわくて引き受けた」……など、ネガティブな気持ちのまま引き受けることもよくあること。

そんなときに、ぜひ意識してほしいのが「断れなかった」ではなく、「断らなかった」という感覚を持つことです。

そもそも私たちは「自分がコントロールできない」ことに対して、大きなストレスを感じます。同じやるにしても「自分がコントロールして、自分の意思でやった」と、「自分はコントロールできず押しつけられた」とでは、受け止め方に雲泥の差があるのです。

ですから引き受けるときも「押しつけられて断れなかった」ではなく「断らずにちゃんと引き受けた」ととらえる。自分はダメだから断れなかったとは、絶対に思わないでほしいですね。

ストレスのない人生をおくるためには、仕事を断る、断らないだけでなく、いつも「自分の人生は自分でコントロールしている」「相手に左右されず自分で選んでいる」という考え方を持つことが大切なのです。

(構成=池田 純子)
【関連記事】
銀座ママが「LINEを交換しよう」と聞かれたときに必ず使う"スマートな断り文句"
電話オペレーターの神ワザ…「できないものはできない」を肯定表現に変える"あるひと言"
なかなか席を立たない常連客も一発で帰る…銀座ママが使う"とっておきのフレーズ"
だから私はダメなんだ…「職場で心を病む人」が無意識に唱えている"呪いの言葉"
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問【2020年BEST5】