来夏の参院選の結果次第では保守2大政党の構図になる可能性も

代表選を見た限り、この点について泉新代表に大きな心配はしていない。泉氏は旧国民民主党出身だが、代表選で決選投票に残った逢坂氏とともに、現在の立憲民主党の綱領案を作った責任者だ。逢坂氏が代表選最後の演説でこの点に触れ「綱領には私と泉さん2人の魂が注ぎ込まれている」と述べたことは、強く印象に残った。

泉氏にはぜひ、新自由主義に対峙して「支え合いの社会」を目指す結党の理念や政策を、党内のすみずみまで浸透させてほしい。自民党とは違う「目指すべき社会像」を選挙で選ぶことができる、その選択肢であり続けることを、常に自覚してほしい。それが先の衆院選で「支え合いの社会」という枝野氏の訴えに応えて同党に投票した人々への責任でもある。安易に変えて良いものではない。

そしてそのために大事なことは、来夏の参院選で「野党第1党の立場をしっかりと確立する」ことだ。前述したように、参院選で日本維新の会の大きな躍進を許した場合、次期衆院選での野党第1党の座が脅かされかねない。2大政党が特に優位になりがちな小選挙区制において、一度野党第2党に転落すれば、政権への挑戦権を取り戻すことは容易ではないことを肝に銘じるべきだ。

泉氏をはじめ立憲民主党にかかわるすべての人々には、この四半世紀の野党史も踏まえた上で、党が今後目指すべき立ち位置を改めて考えてもらいたいと願う。

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