立憲民主党の新代表が泉健太氏に決まった。フリージャーナリストの尾中香尚里さんは「泉氏に求められるのは、枝野幸男前代表が作り上げた『保守VSリベラル』の対立構図を守ることだ。これまでのように『解党的出直し』を繰り返してはいけない」という――。
立憲民主党の新代表に選出され、記者会見する泉健太氏=2021年11月30日、東京都港区
写真=時事通信フォト
立憲民主党の新代表に選出され、記者会見する泉健太氏=2021年11月30日、東京都港区

泉健太新代表と「旧民主党の負の遺産」

立憲民主党の代表選が11月30日に行われ、枝野幸男前代表のもとで政調会長を務めた泉健太氏が、逢坂誠二元首相補佐官との決選投票の末に新代表に選ばれた。

新代表として初の記者会見では、泉氏に「旧民主党の負の遺産」に言及した質問が飛んだ。質問者は、枝野氏ら旧民主党政権の中核を担った顔ぶれが党の前面に立つことへの「マイナス」のイメージを強調したかったのだろうか。

なるほど、確かに筆者もこの代表選を「旧民主党の負の遺産を払拭できるか」という観点で見ていた。だが、それは「顔ぶれ」などという問題ではない。筆者が考える「旧民主党の負の遺産」とは、選挙での敗北や不祥事といった不都合があるたびに、トップの首を安易にすげ替え、それまでの積み上げをリセットし、結果として党の体力を削いできた党のあり方である。立憲民主党の代表選もその「負の遺産」を引き継いでしまうのか。筆者はそれを懸念していた。

代表選全般、そして泉新代表のここまでの言動を見る限り、どうやら筆者の懸念は杞憂であったようだ。とりあえずは安堵しつつ、泉新執行部の党運営を見守りたい。