正規のインターネット通販でブランド品を注文して商品を代引きで購入したつもりが、中には偽物の粗悪品が入っていた……。近年、そうした詐欺被害が増えている。ジャーナリストの多田文明氏は先日、老舗・銀座三越の偽サイトで有名ブランドバッグが半額以下で売られていることを知った。悪質なだましの実態を調査するべく、HPに記載されていた住所へと向かうと――。
銀座三越
写真=iStock.com/Manakin
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銀座三越の偽サイトを発見、とっちめるためHP記載の住所に突撃した

大手企業の正規の通販サイトだと思い、ブランド品などをネット注文して、代金引換で受け取ると、それが偽物だったというケースが昨年から急増しています。

国民生活センターには、インターネット通販で注文して、代引きで偽物が届けられたという相談が、2019年の871件だったものが、20年に2485件と大きく数字が跳ね上がっています。21年9月末日の相談も994件と前年の同じ時期よりも多くなっており、年末にかけてさらに被害が広がるおそれがあります。

ご存じの通り、代金引換は自宅にきた配送業者にお金を払い、商品を受け取る方法です。商品を受け取ってみるまでは、中身がわかりません。そこに詐欺業者は付け入ります。購入者が箱を開けてびっくり、偽物が入っていて、だまされたことに気づくわけです。

詐欺を行う者たちは機を見るに敏で、コロナが蔓延して自宅にこもる人が多くなるのを狙って、昨年より代引きの形で偽ブランド品などの粗悪品を送り付けていたのです。

これまでに、さまざまな有名企業をかたる偽サイトが登場していますが、今回は、銀座三越です。

フェイスブックに掲載された広告をみると、「Ginza-Mitsukoshi」の名前で「パリジェンヌのライフスタイルにぴったりな、シンプルで機能的なフレンチシックなデザインは世界中の女性から絶大な人気を誇ります」とあります。商品の注文画面に進むと、【フランスの人気ブランド】ロンシャン バッグ ル・プリアージュ トートバッグが、通常価格2万580円のところ8980円となっています。

実際、住所などを入力して先に進んでみると、やはり代金引換でしか支払えないような形になっていました。

三越の偽サイトのフェイスブック広告
銀座三越の偽サイトのフェイスブック広告(画像キャプチャ=多田文明)

通常価格に線が引かれて、半額以下の安い金額で、しかも代金引換しか選択できない。昨今、出現している偽サイトの典型例です。