TBS発行の「新・調査情報」の連載をまとめたもので、「テレビマンユニオン」の歴史でもある。

1960年代、テレビの草創期といえば、左翼のジャーナリストたちが報道、ドラマ、音楽などのあらゆる番組を制作していた時代である。彼らは互いに対立を恐れず、朝から晩まで「社会とどう向き合うべきか」と論議していたのだ。だが今のテレビ番組の作り手は“保守的”になりすぎていないか。自分の考えを言わずに、周りの「空気」に従いすぎるように感じる。必要なのは、「空気を読んだうえで、あえて否定すること」だ。

後輩たちに本書を勧めるのも、フレッシュな気持ちで、番組作りに没頭した先輩たちの熱意を感じ取ってほしいからだ。