親もストレスを抱えている
今は、子どもだけでなく、親自身もストレスを抱えています。コロナ禍の、制約が多く先の見えない状況に対応しながら、子どもを守らなければいけないというプレッシャーもあるでしょう。
私のところを受診される方の中には、コロナ禍のため、これまで子育てを手伝ってくれていた親(子どもにとっての祖父母)を頼れなくなり、負担が増えて、「何から手をつけたらいいのかわからない」と混乱しているお母さんもいらっしゃいました。「こうした大変な時だからこそ、親である自分が頑張らなくては」と、自分で自分にプレッシャーをかけている人も多いようです。
「自分と向き合う時間」を持つ
そもそも大人は、会社では従業員、家では妻や夫、母や父などの、いろいろな役割を背負っています。その役目を果たすことばかりを考えていると、周りからの期待に応えようとして「自分の気持ちや行動を自分でコントロールできていない」という感覚に陥り、ひどくなると心身の健康を損なってしまいます。
コロナ禍で、ストレスが多い時だからこそ、時には「親」などの役割から離れて、自分をいたわる時間を持ってほしいですね。好きな動画を見たり、音楽を聞いてぼんやりするといったことでいいと思います。1日に10分でもいいので、自分に向き合う時間を持つようにすることが大切です。
(構成=池田 純子)