もうすぐクリスマス。プランタン銀座の調査によると、女性が恋人(パートナー)に贈ってほしいプレゼントは、昨年同様「食事」(28%)がトップ。私が20~30代の女性に取材しても、「男性からのプレゼントは、後に残らない“消えモノ”がいい」との声がよくあがる。
そんななか、“消えモノ”ばかりを集めた「体験ギフト」のカタログが百貨店の常設コーナーでも売られるようになり、いま20~40代の男女を中心に人気を呼んでいる。結婚式の引き出物などでもらうギフトカタログに、グルメ、エステ、ゴルフ体験、健康診断など、モノでなく「コト(体験)」ばかりが載っているイメージだ。贈られたほうは好きな内容を1つ選び、対象期間内に予約して体験できる。最近は、NPO法人ハットウ・オンパク(大分県別府市)のように、地元の観光協会とタイアップした体験ギフトで観光客を呼び込もうとするケースも出始めた。
日本市場での草分け、ソウ・エクスペリエンスの代表取締役・西村琢さんは、欧州で同様の事業が伸びていることに目をつけ、2005年10月にサービスを開始。「初めは僕自身が表参道の茶道教室に出向き、『弊社のカタログに茶道体験を掲載させてください』とお願いして回りました」という。
その後、個人客を中心に認知度が高まり、07年には「販促用に」と希望する企業数社と法人契約を結んだ。売り上げは右肩上がりで増え、11年度は1000万円の経常黒字を見込む。
カタログはペアで体験する「For2」など大きく分けて10種類あり、「売れ筋は5000~1万円台。陶芸やクルージング体験が人気です」と西村さん。今後に向け「プロポーズの際にアドバイスしてくれるサービス」なども企画中とのこと。来年あたり、彼女に「これでお願い」と贈られるかも!?