「温活」とは体の冷えを防いで温める活動のこと。数年前から生姜やカイロ、入浴法などの温活が女子に話題を呼んできた。ところがいま、20~40代男子にも冷え性が増え、「温活男子」が新たな商機を生んでいるのだ。
ユニクロの調査(2010年)によると、下半身の冷えを「よく(ときどき)感じる」男性は30~40代で約7割、20代では約8割。同年代の女子並みだ。いち早く「温活」を提唱してきた花王は、冷え性男子の増加について「ここ10年ほどで若い人に痩せ形が増え、筋肉の量が減ったことも影響しているのでは」(同社グローバルメディア企画部門・荒瀬良子さん)と読む。若くても筋肉がないと血の循環が悪い、だから冷えを感じやすいというのだ。
花王の薄型温熱シート「めぐりズム」は、肩や腰に貼ると5時間以上、40℃前後の温度を持続する。発生する蒸気はスチームサウナのような温熱効果があるとされ、女性ファンが多いが、「最近は『腰痛や胃腸の働きがよくないとき、妻に勧められた』という男性の声も寄せられます」と荒瀬さん。11年10月の売り上げは、前年比約130%を記録、順調に伸びている。
一方、三洋電機「エネループ ウォーマーシリーズ」は、充電式のニッケル水素電池・エネループを応用した商品。最新版のネックウォーマーは、AC電源で約7時間充電しておくと、内蔵ヒーターが発熱し、温もりが7時間ほど持続する。同社広報部の石川ひとみさんによると、購入者の約半数は30~40代の男性(10年調査)。「釣りやゴルフなどレジャーで活用する温活男子も多いよう。ツイッターなどでクチコミする男性も目立ちます」と言う。
節電ムードが続けば、自ら体を温める温活男子も増えるはず。ただ女子の間では「冷え性の男子って頼りない」と見る向きも多いようだが……。