復讐したいのは「消化できないほど理不尽だった」ことをした人
【角田】今でもその人とは話する?
【加藤】二年に一回くらいは話すね。
【角田】本人は自分でも「そういう意味があってやってた」って言ってるの?
【加藤】答えないでニヤニヤしてる。
【角田】僕が「復讐したい人が三人くらい残っている」っていうのは、たとえ意味が分かっても消化できないほど理不尽だったよなって、やっぱり思ってしまう人だってことなんだよね。逆に言えば、許せなかった人が一〇〇人いたとして、九七人はそれで許してる気がする。その中で最後まで沈殿しているのがその三人。どんなに考えても、「あれは単純に僕へのジェラシーだったんだな」とか、「単純に嫌がらせだったんだな」っていう奴だったら、やっぱり“地獄”に落とさなきゃなって。
加藤くんの話みたいに「すごく厳しかったけど、たくさん勉強させてくれたんだな」って感謝している人もたくさんいるよ。
云われたことを毎回一〇〇%やる必要はない
【加藤】そもそもみんな、上司に云われたことって一〇〇%やってるのかな。ワタクシ、結構スルーしてるかも。
【角田】加藤くん、結構スルーしてるよね。
【加藤】云われたことを毎回一〇〇%やったこと、ほとんどない。一二〇%やってる時もありますよ? 平均したらちゃんとやっているつもりだけど。
【角田】さっきの僕の「怒りが一〇〇〇%」の案件でいうと、僕は多分全部やってるんだ。だからこそ、「こっちが全部やろうとしているのに、そんな態度とるならもう一切やらん」みたいなことになる。仕事に関しては、僕はゼロか一〇〇〇なのかもしれない。やるって決めたら値段じゃなく一〇〇〇ぐらいやろうと思っているのに、そんな変な態度とるなら絶対やらないって。
【加藤】みんな真面目だよねえ。
【角田】そこは真面目だね。
【加藤】受験で云えば「捨てる問題」ってあるでしょ。そのクチだな。
【角田】要は受かりゃいいんだもんね。
【加藤】そう。それは上司との関係も同じで、「お前、これスルーしやがったけど、こっちがこれだけできてるならしょうがねえな」みたいな、「トータルでは合格」っていう塩梅でいいじゃない、と思ったりする。
【角田】仕事もそうだし、人間関係も「どうスルーするか」って大きいよね。恋愛もそうかもしれない。どう相手の嫌なところを説明しないで済ませるかって大事だもんね。
【加藤】それこそ社交の技術だよ。
【角田】僕、社交苦手だから多分ダメなんだね。