オンラインサロンなどで同じ意見をもつ人たちが、お互いを褒め合っていることがある。バラエティプロデューサーの角田陽一郎さんは「同じような人とつるんでいると、どんどんレベルが下がっていく。多様性を持たないものは、結果的に弱くなっていく」という。角田さんと作家の加藤昌治さんの対談を収録した『仕事人生あんちょこ辞典』(KKベストセラーズ)より一部をお届けする――。
議論のクローズアップ。
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多様性を失いレベルが下がっていく

インターネット上で人がよくつるんでいますが、あれって気持ち悪くないですか?

【加藤】最近、昔と違う意味で「つるむ」感じが流行ってる気がするの。以前は「つるむ」って、小学校からの腐れ縁とか、わりと狭い人間関係を繋げていくようなことだったと思うんだけど、最近は集まり方が変わってきていて、だけど閉じてる感じがする。いわゆる「オンラインサロン的なもの」が最近のつるみの代表なのかなと。ものによっては人の集まり方としてあまり好くない感じが、最近チラつく印象なんだよね。

【角田】つるむことで何が一番良くないかって、やっぱりレベルが下がっていくんだよね。「主催者がこんなことやりました! って時に、全然すごくないけど「スゴいっす!」って言うようになっちゃうんだ。そうすると、本当にすごくなくなってくるんだよね。その上で「天才です」みたいな雰囲気なわけ。

単純に、レベルが下がってくんだよ。それってナチスの「アーリア民族が世界一」ってのと一緒だと思う。どんどん純粋になっていって、多様性を持たないものっていうのは結果的に弱くなっていくんだよね。

【加藤】それが「今っぽいつるみ方」ってこと? 多様性を失っていく、つるみ方というか。

【角田】同じような人としかつるんでないもん。だから結果的に、考え方が全然ブッ飛んでないんだよね。もしかしたらどこのイノベーティブな集まりだって本質的にそうなのかもしれないけどさ。

【加藤】元々そういう同質性があるから、つるむのかね。