投資信託には、アクティブ運用とインデックス運用の2種類がある。どちらのタイプを選べばいいのか。東証一部上場企業CFOの北村慶さんは「“投資の神様”のウォーレン・バフェットは妻に宛てて書いた遺言書で、インデックス運用を勧めている。それほど市場平均に勝ち続けることは難しい」という――。
※本稿は、北村慶『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
筆者が500万円の利益を得た投資信託とは
金融庁のホームページには、2021年6月現在、長期の資産形成に向いた投資信託192本(ETFを除く)の一覧が載っています。
その内訳は、「アクティブ運用」と言われる種類の投資信託が19本、「インデックス運用」に属する投資信託が173本です。
前者の「アクティブ(積極的)運用」では、市場の平均――国内株式であれば、日経平均やTOPIX(東証株価指数)の値動き――以上の高い運用利回りを目指して、積極的に銘柄選定を行い、株価の先行きが期待できる銘柄に投資します。
後者の「インデックス運用」は、日経平均やTOPIXといったインデックス(指標)通りの運用を目指します。つまり、市場平均並みの運用成績で良い、という考え方であり、「パッシブ(消極的)運用」とも呼ばれます。
筆者が13年間投資し6%の利回りと500万円の利益をもたらした「eMAXISバランス(8資産均等型)」はインデックス運用を行う投資信託です。
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、アクティブ運用とインデックス運用を併用していますが、年々、インデックス運用の比率を高めており、2021年3月末時点では82.7%がインデックス運用です。
その理由は、運用にかかるコスト・手数料を勘案すると、インデックス運用の方がアクティブ運用よりもパフォーマンス(運用成績)が良いから、です。
もう少し詳しく見てみましょう。