アクティブ運用は運用手数料が高くなるが…
「アクティブ運用」では、プロのファンド・マネージャーが、他の運用者に勝ち、市場の平均利回り(インデックス)を上回る運用成績を目指して、積極的な運用を行います。
従って、「アクティブ運用」では、これらのインデックスに勝ったか負けたかがポイントになり、ファンド・マネージャーたちのボーナスなどの処遇もこのインデックス対比の運用成績で評価されることになります。
この「アクティブ運用」ですが、高給のアナリストやファンド・マネージャーがさまざまな分析を行い運用するわけですから、当然に運用手数料も高くなります。
投資家としては、当然にその成果を期待するわけです。
ところが、実際の運用成績を見てみると、日本では、アクティブ運用を行っている株式投信の大半は、インデックス(TOPIXや日経平均)を下回るリターンしか上げてられていない、という事実が浮かび上がります。
アメリカでも、約8割のアクティブ型の株式投信のパフォーマンス(運用成績)がS&P500インデックス(米国の主要500銘柄の平均利回りを表す指標)を下回る、との報告もあります。
「パッシブ運用」の方が得
さらに、多くの研究結果が、「アクティブ運用」の高い運用手数料を勘案すれば、「アクティブ運用」により得られる超過収益率(市場平均を上回る収益)が限定的であることから、「パッシブ運用」の方が得だ、ということを示唆しています。
よく考えてみれば、次のような自明の理に気づきます。
「市場には多くの参加者がおり、それぞれが独自の運用スタイルで売買している。
アクティブ運用者には、儲けることのできた勝者もいれば、損をした敗者も常に存在する。
それらのすべての投資家の売買を合計したものが、市場平均(インデックス)である。
アクティブ投資家が行う売買には、銘柄の調査・分析などのコストがかかる。
従って、アクティブ投資が市場平均に追随するインデックス投資に勝つことは容易ではない」