構想力不足! 開閉会式は最悪だった

2021年8月8日、東京オリンピックが閉幕した。開会式・閉会式は賛否両論あったが、私に言わせれば最悪の開閉会式だった。第一に式自体が長すぎたが、それ以上に明らかになったことは、日本には大規模な演出を構想できる人材が決定的に不足しているということだ。アニメ制作やゲーム開発の世界では構想力のある人材が多いが、1998年の長野五輪や今回の開閉会式を見れば、映像という点でも世界への発信という点からも「落第」といわざるをえない。ただ、コロナ禍のなかでも、200を超える国・地域から多くの選手たちが日本に来てくれたという点はよかったと思う。

東京オリンピック開会式で灯された聖火。
東京オリンピック開会式で灯された聖火。(dpa/時事通信フォト=写真)

2013年9月、開催都市が東京に決定したIOC総会からの約8年間を振り返ってみれば、トラブルが絶えないオリンピックだった。安倍晋三首相(当時)の(福島原発の)「アンダーコントロール」宣言、新国立競技場の計画白紙、大会エンブレムの変更、猪瀬直樹都知事・舛添要一都知事(ともに当時)の辞任、JOC竹田恒和つねかず会長(当時)の招致買収疑惑、マラソン開催地の札幌への変更、パンデミックによる1年延期と、言い出したら切りがない。