「この対応は半年だけだ」

<strong>ヤナセ社長 西山俊太郎</strong>●1945年、東京都生まれ。68年法政大卒、梁瀬(現ヤナセ)入社。専務、副社長を経て2007年10月から現職。
ヤナセ社長 西山俊太郎●1945年、東京都生まれ。68年法政大卒、梁瀬(現ヤナセ)入社。専務、副社長を経て2007年10月から現職。

本当をいうと取材に応じるのは苦手なんです。しかし、いまは嫌いなことを率先してやらなければいけないと思っています。

というのは、2008年秋以来の売り上げの急減を受けて、関係先や従業員に無理をきいてもらいコスト削減を実行しました。おかげで09年9月期決算もなんとか黒字で迎えることができました。

他人に嫌なことをやらせておきながら、自分だけ逃げるわけにはいきません。やりたくないなら辞めるしかない。そう腹をくくって社長業を務めています。

それにしても、悪いときにトップになったなと思いますよ(笑)。100年に1度の経済危機だと誰かがいいましたけれど、私の実感もそのとおりです。08年は年初から販売に減速感が出ていたので、売り上げがかなり減りそうだという心積もりはできていました。新車販売・中古車販売・アフターサービスという収益の3本柱のうち新車販売は25%減くらいかとそろばんをはじいていたのですが、9月のリーマンショック以降、それでは済まない惨憺たる状況になりました。

念頭にあったのは「会社を存続させなければならない」ということです。自動車ディーラーは、売りっぱなしでは済まされない仕事です。5年、10年とアフターサービスが続きます。ですからお客さまや従業員のため、是が非でも会社を守らなければならないと考えました。

販売が急減しても会社を維持するには、強力にコスト削減を進めることです。秋以降、即座にコストダウンの計画を練りました。