霊魂を認める派認めない派の「言い分」(各宗派の霊魂観をチャート)
浄土宗の場合は宗門として霊魂の存在を明確には認めていない。臨済宗や曹洞宗などの禅宗系も、浄土宗のスタンスと似ている。それでも浄土宗の場合はまだ、霊魂の捉え方に関して寛容なほうだ。
浄土真宗に至っては、霊魂そのものの存在を否定している。
他方、真言宗や天台宗、日蓮宗は明確に霊魂の存在を認めている。それらの宗派に属する僧侶は躊躇なく、鎮魂、除霊、加持祈祷といった作法を行う。
例えば真言宗など密教系宗派では、しばしば「護摩行」が行われる。護摩とは不動明王を本尊にした堂内に炉を構え、護摩木をくべ、燃え盛る炎とともに様々な願いを成就させるものだ。護摩行の手法のひとつに悪魔・悪霊を退散させる目的のものがある。これは霊魂が存在することが大前提での宗教儀式である。
各宗派の霊魂観をチャートにしてみると、このような分布になった。あくまでも私が総合的に判断したものだが、日本の仏教の奥深さを感じてもらえれば幸いである。