「20位までがプロ合格」で、姉の明愛は3位、妹の千怜は9位

プロゴルファーを名乗るには超難関の「プロテスト」に合格しなければならない。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の場合、合格者は上位20位まで。受験者は例年600人ほどいるので、合格率は3%ほどだ。

このうち今年6月に行われた4日間の最終プロテストに、18歳の双子の姉妹が合格し、話題を集めている。今年4月に武蔵丘短期大学に入学したばかりの大学1年生、18歳の岩井明愛あきえ千怜ちさとだ。

姉の明愛は通算12アンダーで3位、妹の千怜は通算7アンダーで9位タイで、余裕の合格だった。

岩井千怜(左)と岩井明愛(右)と。大学のユニフォーム姿。
写真提供=武蔵丘短期大学
岩井千怜(左)と岩井明愛(右)。大学のユニフォーム姿にて。

プロテストは、プレーヤー以外は家族も関係者もメディアも会場入りが許可されない非公開で進行される。

合格が確定した途端、明愛は駐車場で待機していた母・恵美子に朗報を伝えに行った。

「目が合った途端、母が泣き出したので、私は母とハグして、一緒に喜びました」

しばらくして千怜も合格が確定し、やはり母の元へ向かった。

「そのときは、母はもう泣きやんでいたんですけど、私が行ったら、また泣いちゃって、私も母とハグしました」

ふと、姉妹が泣いたというくだりがどこにも出てきていないことに気付き、「2人も一緒に泣いたの?」と尋ねてみた。

「泣かなかったですね」(千怜)
「一度も泣いてないです」(明愛)

2人は感情の起伏が少ないフラットな性格というわけではない。明愛も千怜も、よく笑い、はきはきと話す。明るい性格で、豊かな感受性で、周囲を気遣うこともできる。

しかし、超難関のプロテストに合格し、ほとんどの選手が涙を流しているなかで、2人は涙を見せなかった。なぜなのか。その理由は岩井家の独特な教育法と関係がある。