都民ファーストの票を伸ばし、自公「絶対有利」を阻止した意味
7月4日、東京都議会議員選挙の投開票が行われた。4年前の都議選では小池百合子東京都知事が創設した地域政党「都民ファーストの会」が大躍進し、都議会第一党となったことは記憶に新しい。しかし今回、選挙前の評判では都民ファーストはそのときの勢いを失い、自民党が都議会第一党を奪還し、自民党と公明党合わせて過半数を占めるのは確実だといわれていた。
しかし、このメルマガを書いている投開票日7月4日の段階では、都民ファーストの猛追が激しく、自公だけでは過半数の議席を確保できない見通しとの報道が出てきた。
自公で過半数を獲得できなければ、都民ファーストの政治力が増す。もちろん都民ファーストのみで過半数を得ることはないので、小池さんが自らの都政を進めるためには自公の協力を得ることが不可欠だが、それでも自公で過半数を占められて、自公の言いなりになってしまうことと比べれば、「自公過半数」を阻止したことは大金星と言える。
民主国家の政治においては議席数が全て。いくら「選挙が全てではない」「多数が全てではない」と学者などが叫んでも、現実の政治では議席数において過半数を獲るか獲らないかは、天国と地獄ほどの差がある。
学者やコメンテーターなどのインテリたちが好む「話し合い」も、すべては背後に控える議席数が影響してくる。
多くの議席数を持っている者が政治協議において力を持つ。ましてや過半数を持っている者の力は、民主国家においては絶対的なものだ。
このような意味で、都民ファーストが自公過半数を阻止することができれば、今後の小池都政において、自公が「絶対的に」有利な立場に立つことはできない。あくまでも都民ファースト・小池さんと自公は対等の関係で協議することになる。
これは小池さんにとっては大きいことだ。自公が絶対的に有利な立場になるか、対等の立場にとどまるかは、小池さんにとっては天国と地獄の差になる。これが現実の政治というものなんだよね。
(ここまでリード文を除き約800字、メールマガジン全文は約9100字です)
※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.254(7月6日配信)から一部を抜粋したものです。気になった方は、メールマガジン購読をご検討ください。今号は《【東京都議選2021】様子見から一気の攻勢! 国政野党が小池百合子都知事に見習うべきこれだけのポイント》特集です。